なるざについて
ごあいさつ

祖母の生き様を大切に

なるざの代表取締役社長(右)。・・・?

私はリハビリの学校を卒業後、福井に戻り総合病院、介護老人保健施設、精神科病院(訪問リハビリ事業所)を経て、現在の会社を興しました。色々な経験、出会い、介護保険の制度化等のきっかけが後押ししてくれましたが、今、私が事業していく上で大切にしているもの、それは祖母の生き様にあります。

私の祖母は90歳を越えても400坪の畑で四季折々の作物を作って、家の台所を支えていました。「畑は、おばあちゃんの生き甲斐や」が口癖でした。近所の人に年寄り扱いされたとき、ジョーロを振り回して怒ったそうです。後で「少し大人げないことをした、でも我慢できなかった・・」と手紙で私に気持ちを伝えてくれました。

また、川柳が趣味で句会に入り、自分の子や孫の歳の人たちと一緒に旅行に行っては、旅先で川柳を詠むことを楽しんでいました。詠み会に出ても耳が遠くて他の人の声が聞こえ ないからどうにかならないかと、私に相談してきたことがあります。祖母の句は若い 女性の心情を詠ったものが多く、いつも周りをびっくりさせていました。

そんな祖母は95歳の時、脳出血で倒れ、手足が不自由になり病院を退院後、施設入所となりました。施設に入所して4日目、祖母は職員の顔を平手で叩き、施設の大きな 窓に椅子を投げつけ、ガラスを割る事件を起こし、その施設を出ていかなくてはならなくなりました。祖母に聞くと、「ひどい言葉づかいをされた」「こんなところに押し込められて」と話していました。その後も、デイサービス等利用しながら家族でなんとか介護を続けました。私も医療の仕事をしていましたが、家族介護の本当の大変さを身にしみた時期でした。

その後も、身体・認知の障害が進んでも自分の思いを便せんにしたためたり、何かをしようという気力は衰えませんでした。目が見えなくなっても、会う度とても喜んで、「また来てください」と何度も言ってくれました。102歳で大往生するまで、その姿すべてが祖母の強烈な「こうありたい!」という存在表現だったように感じます。人は生きていくことに年齢や障害に関係なく、生きている。普通に感じ、何かを求めている。その当たり前を教えてくれました。

私達「なるざ」の使命は、リハビリテーション、看護、介護の経験と技術で安心と満足を提供することです。何よりも辛く苦しい時に寄り添い支える、家族に近い存在で あること、前を向き直して踏み出そうとする人への敬意を忘れないことを信条とします。そして、私達が目指すのは、祖母が求めていたように「普通に生きたい」という願いを支えるサービスをこの地域で根付かせることです。

人とのつながり、地域とのつな がり、様々な営み(活動)を活用し、特別だと感じないサービス・・・。そんな理想に近づけるように、幅広い見識と誠実な心で努めて参ります。ご本人ご家族と一緒に考え、笑顔へと導くこの仕事を、私達の誇り・喜びとしながら。

代表取締役 谷川真澄

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